バスク日々の泡

フランスバスクでの日々の暮らしもろもろ

是枝監督の前作『三度目の殺人』を観た&France Cultureの是枝監督のインタビュー(フランス語の勉強にも良いですよ。中・上級向けです)。

 カンヌ映画祭で最高賞のパルムドールを受賞して以来、何かと話題の是枝監督。

 

 かなり前ですが、その是枝さんの前作『三度目の殺人』を観てきました。フランスは日本より上映が遅いので、話題が古いですね・苦笑。しかも3か月くらい前だし。

 

 是枝さんの映画は好きでほとんど観ています。フランスでもとても有名で、住んでいる街でも必ず上映するので、最近の作品(『そして父になる』、『海街ダイアリー』、『海よりもまだ深く』など)はフランスにいながら映画館の大スクリーンで観る事ができています。

 

 是枝さんだけでなく、日本の映画は、概してフランスでとても人気があります。今回は上映の初日に観に行きましたが、こんな田舎でもかなりの人が観に来ていました。全然関係ないのになぜか誇らしい気持ちになり、遠い異国の日本の文化に興味を持ってくれるフランス人がこんなにいるんだ、と嬉しい気持ちになりました。

 

 法廷という非日常の場所が舞台で、今までの是枝さんの映画のカラーとはちょっと違って面白かったです。有名どころの俳優さんばかり揃っていたので、ここフランスでそういう方々のお顔を見れただけでも大満足。特に福山さん、あんなに格好いいアラフィフがいて良いのでしょうか(゚Д゚;)。フランス人から見ても絶対にイケメンだと思いますし、50歳手前だとはだれも信じないでしょう。役所さんは是枝監督の映画に出演するのは初めてだったそうですが、やはり迫力がありました。広瀬すずちゃんは、演技が上手で可愛くて、欠点がないですね。

 

 もう1年以上前になりますが、France Culture というラジオ局のある番組の日本特集で、一連のインタビューの中、是枝さんへのインタビューも聞きました。とても興味深かったです。というのは、その生い立ちの事です。

 

 是枝さんのお父上は、彼の映画で阿部寛さんが演じるような父親そのものだったそうです。仕事は一応されていたものの、貰った給料をその晩に全て使い切ってしまうような方だったので、給料日には、ちゃんとお給料を持って帰ってくれるだろうかと、いつも家族みんなでヒヤヒヤしながら帰りを待ちわびていたとか。

 

 あんな穏やかな映画を作られる方(テーマは重いですが)が、そんな子供時代を送っていたという事にビックリ。言わずもがな、子供時代のこの思い出が、映画を作る際のインスピレーションの源になっているのでしょうし、だから家族がテーマの作品が多いのだなと、このインタビューを聞いたとき納得でした。トラウマにもなってしまいそうな思い出でも、才能があれば、芸術作品にまで昇華させていけるのだ、と感心した事を思い出しました。 

 

 フランス語を勉強している人には、良い教材になると思いますので、下にリンクを貼っておきます。レベルはB2以上の中・上級者向けです。私も何回もインタビューを聞いて、通訳さんのシャドウイング(聞いた文を、すこし間を置いて声に出して繰り返す)をしていました。是枝さんの通訳さんが素晴らしいです。私は映画が好きなので、フランス語の勉強の教材にしました。語学の勉強は、興味のあるものを教材にすると理解が深まるとつくづく思います(例えば料理が好きなら料理本で勉強するとか、サッカーが好きならサッカー雑誌を読むなど)。知りたいと思いますからね。

 

 今回の『万引き家族』も、こちらで観られるのが楽しみです。日本ではかなり話題になったらしいこのタイトル、フランス語では、《Une affaire de famille(家族のこと、問題、仕事といった感じ。une affaireをどう訳すかが難しいですね)》というタイトルになり「万引き」という語は使われていません。映画はまだ観ていないですが、このフランス語のタイトルはなかなか良いなと思いました。

 

www.franceculture.fr