バスク日々の泡

フランスバスクでの日々の暮らしもろもろ

突然辞任した環境相二コラ・ユロ(Nicolas Hulot)氏と、フランス映画の名作『ぼくの伯父さん』の意外なつながり

 今週は驚いたニュースが二つありました。

 

 『ちびまる子ちゃん』の作者、さくらももこさんが、53歳で夭逝されてしまったこと。『ちびまる子ちゃん』のアニメの、温かいのに(まる子ちゃんと、たまちゃんおじいちゃんとの関係とか)、たまにすごくとげとげな(お母さんやお姉さんとのやり取りとか)ところが面白くて、子供じゃないけど良く観ていました。ご冥福をお祈り申し上げます。素敵な作品を有難うございました。

 

 

 もう一つは、マクロン政権で環境相(正確には環境連帯移行相)を務めていた二コラ・ユロ氏が、突然辞任したことです。ラジオFrance Inter のインタビューでの、突然の辞意表明。事前に誰にも知らせていなかったそうで、ちょっとセンセーショナルですよね。インタビューの抜粋をラジオで聞きましたが、「(私が閣内にいるから)マクロン政権はきちんと環境問題に向き合っている、という幻想を国民に与えたくない。だから辞める。」みたいなことを言っていましたね。マクロン大統領は、「自由な人間である、ユロ氏の個人的な決断を尊重する」とコメント。恨み言を言わないのは偉いなと思いましたが、「当政権は、ユロ氏の在任中の15か月で多くの課題を解決している。」と弁解口調。人気者のユロ氏が内閣から抜けたら、やっぱり打撃は大きいだろうな。後任選びも大変そう・・・。

 

 政治にはうといのですが、このニュースには関心があったので、ラジオを注意深く聞きました。

 

 ユロ氏は、長年続いたTVドキュメンタリー番組『ウシュアイア(Ushuaïa)』のプロデューサー兼リポーターで知られ、フランスではとても人気があります。『ウシュアイア』は、世界中の秘境や絶景、ユニークな、または過酷な環境の中で暮らす人々や動物などを紹介するドキュメンタリーで、すごく面白いんです。息子はリアルタイムでは観たことはないのですが、DVDを全部持っています。

 

 というわけで、多くのフランス人と同じく、私たちもユロ氏が大好きなのです。

 

 その上、家族みんながお気に入りの映画、ジャック・タチ監督の『ぼくの伯父さん』の主人公ユロ伯父さんのモデルが、何と二コラ・ユロ氏のおじい様だと知り、さらに高感度がアップ。タチ監督の住んでいたアパートのある建物を設計したのが、ユロ氏のおじい様だったそうです。

 

ぼくの伯父さん [DVD]

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 1958年製作のこの映画、ほとんどセリフがありません。登場人物、特にユロ氏の仕草がユーモラスで、子供にもわかる面白さです。息子も幼稚園のころにしょっちゅう観ていました。私といえば、フランスに一番かぶれていた(;'∀')大学生の時期に、初めてこの映画を観て以来のファンです。

 

 ストーリーは、ざっくりいうと、裕福な両親との生活にちょっと息苦しさを感じている男の子と、自由に生きる彼の伯父さんとの温かい交流物語という感じです(これだけに還元できない逸話もたくさん)。庶民的な街の様子や、モダンな両親の家や父親の会社、ユロ氏の住む摩訶不思議なアパートや、映画に登場する人々の行動や仕草、ファッション、どこを取ってもフランスのエスプリにあふれた素敵な作品です。映画を通して見る、この時代のフランスがとても好きです。

 

 余談ですが、今朝ネットで読んだ全国紙リベラシオンの記事が、ユロ氏の波乱万丈な半生に触れていて、それを読んで少し驚きました。明るい陽射しの下でずっと生きてきたように見えるのに、人ってやっぱりいろいろあるんですね・・・。大変な使命を背負い、プレッシャーも半端ではないでしょうが、これからも頑張ってほしいな。フランスの隅っこから応援しています。