バスク日々の泡

フランスバスクでの日々の暮らしもろもろ

"Une valise"と"La valise"、冠詞の使い方で意味が変わってしまうフランス語は面倒くさいのよね。。

 

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(お、何だ何だ、人間だ、人間だ)
 

 フランスでは先週からLa Toussaint (万聖節)のバカンスで、息子はまたまた2週間のバカンスに突入です。本当にバカンスが多い国です。

 

 先週ですが数日間、旅行で不在の友人の家でお留守番をしていました。ワンちゃんが3匹いるので、そのお世話をするためです。友人の家は大きな農家を改築したもので、その敷地もまー広い広い。息子は大喜びでワンちゃんたちと庭を駆け回っていました。ものすごーくお洒落で贅沢な家、私たちにはあまり似合いません。広いサロンの、20人くらい座れそうなテーブルに3人肩寄せ合って座ってしまう私たちはちょっと滑稽でしたが、それでも満喫させてもらいました。ワンちゃんは、ウィペットという種類の猟犬で、むっちゃ賢かったです。

 

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(息子が撮った写真)

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(友人宅からの景色、和み…)

 

 その後、友人宅からスペインに出発。牛追い祭りで有名なパンプローナとアラゴン地方の首都サラゴサへ。その途中、ヨーロッパで唯一の砂漠、バルデナス・レアレスに寄りました。

 

 という訳で1週間以上家を空けることになり、それなりの準備が必要なのでパッキングに少し時間がかかりました。その際に、旦那との会話でちょっとした行き違いがありました。

 

 ことの発端は、今回の旅行にどのスーツケースまたはバッグを持っていくのかという議論から始まりました。

 

 私は、日本に帰省する際に使う3個の大きなスーツケースのうちの1個に家族みんなの着替えをまとめようと思い、

 

 「今回は大きなスーツケースを持っていく方が良いよね?」と言いたくて、

Cette fois-ci, on pourrait prendre "la grande valise" ? 

 と旦那に話しかけました。すると旦那は

Mais, tu es sûre ? Elle n'est pas trop grande ?

 と答えました。「え、ほんとに?ちょっと大きすぎないかな?」

 

 私はちょっと戸惑いました。私たちは3個大きいサイズのスーツケースを持っているので、「大きなスーツケース(grande valise)」と私が言ったら、「(3個のうちの)どれ?」という答えが返ってくるはずだと思っていたからです。

 

 その時、私ははっと気付きました。

 

 そうか、私が「大きなスーツケース(grande valise)」という時に、定冠詞の”la"を使ってしまったからだ。フランス語の定冠詞は、特定の事物を指すときに使うからです。

 

 そのため旦那は、私の言う「大きなスーツケース(grande vailise)」は「3個のうち一番大きいサイズのスーツケース」だと解釈して、ちょっと大きすぎるんじゃないかと答えたのでしょう。

 

 この場合、私は、

"Une grande valise" 

 と、不定冠詞の”une"を使って、3個ある大きなスーツケースのうちのどれか「1個」ということを示した方が良かったのでしょう。

 

 自分が冠詞を雑に扱っていることに、改めて気付かされた出来事でした。

 

 

 ちなみに、フランス語の定冠詞は、上の例のように特定の事物や唯一無二の事物(太陽や月など)を表す名詞に使われますが、一般的な価値をその名詞に付与する場合にも使われます。

 

 例えば、下の文:

L'argent ne fait pas le bonheur. お金は幸せを生まない。

という文ですが、「お金(argent)」と「幸せ(bonheur)」という名詞に定冠詞がつくのは、概念としての「お金」と「幸せ」(つまり一般的価値)をそれぞれ表しているからです。

 

 そして不定冠詞は、私と旦那の会話の例のように、その名詞があらわす事物を他と区別する、個別化する際、また、その名詞が会話や文で初めて紹介される際に使われますが、別の用法として、その名詞があらわす事物の全体を指すという意味で、こちらも「一般的な価値」を名詞に付与します。

 

 例えば下の文:

Un chien a besoin d'avoir un maître. 犬には主人が必要だ。

ここでの「犬(chien)」は、「すべての犬」という意味で不定冠詞を使います。

 

 上の例もそうだけど、冠詞のない言葉を持つ国の人間には、どうもこの定冠詞と不定冠詞が、両方とも名詞に一般的な価値を付与したりするのもややこしくて分かりにくい。

 

 15年フランスにいますが、やはりただボーっと月日を無為に過ごしていても、フランス語の文法は内在化されません。反省。ちなみに書くときは、考える余裕があるので大丈夫なんですが(いや、やっぱり間違えるときも…苦笑)。反省の意を込めて、ここに記録しておきます。

 

 

 ちなみに例文は、下の参考書から引用させてもらいました。フランス語がある程度読めるようになったら、このシリーズで勉強することをお勧めします。説明が明解で本当に分かりやすく最強です。ただ説明もフランス語なので、初級の方にはちょっと難しいのが残念です。入門、中級、上級、最上級レベルがありますが、下のものは中級レベルです。新版で、表紙のデザインも変わったようですね。中級をきちんとやれば、DELF A2をクリアできると思います。

 

Grammaire progressive du français - Niveau intermédiaire. Buch + Audio-CD: 4ème édition avec 680 exercices

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